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UZ通信

カラダ・アタマ・ココロの遊び

3度目の「パルミラ」

国際問題

ニュースのタイムラインには、連日のように「パルミラ」という耳慣れない地名が登場している。この地名を聞くのはこれで3度目になる。

 

最初の出会いは、10年以上前の話。確かNHKの番組で、パルミラ王国の特集をやっていた。女王がローマと戦ったことや、遺跡が現存してるのは珍しいという小話、シルクロードの拠点として栄えたけどやがて衰退した、みたいな話がまとめられた番組だった。小さい時から海外に関する番組が異常な程好きだった自分は、パルミラを「数あるすごい所のラインナップの1つ」としてしか捉えていなかったが、そこにある確かな趣と歴史を感じたからこそ、今もなお覚えているのだろう。

 

再会は、数年前の受験勉強中。京大世界史の過去問の中で、これが答えとなる問題が出た。かつてテレビで観た話を思いだせるはずもなく、世界史の教科書にも多分出てこないレベルのワード。無理でしょこんなの答えられるわけないやん!僕はめでたく慶應生になった。

 

3度目に再会は上記の通り。ここ数日の悲惨な報道である。

 

世界遺産が壊されることに賛成する人はまずいないと思うが、僕もその一人だ。それは昨年9月にサマルカンド周辺を訪れたことで勝手な愛着を持った地域だから、ということもある。ただそれ以上に、世界遺産を破壊することは、あまりに大きな損失だと思うから。

 

たくさんの観光客を連れてきて、経済を豊かにしてくれる遺跡。

歴史を想起させ、栄枯盛衰を教えてくれる遺跡。

見た者を感動させ、文明や宗教、歴史を学ぶ気にさせる遺跡。

 

知らない国の歴史を学ぶことは、他者を知ることに他ならない。何を食べ、何を信じ、どんな価値観で暮らしていたか。その国がどんな争いを経て、どう運命を辿ったか。他者を誠実に知ろうとすれば、争う前にできることがあるのではないか。人間はこれまで数多くの戦いを繰り返してきて、今もその途中にある。そんな人間に示唆をくれる、偉大な遺跡を壊さないで欲しい。そう思う。

 

それでは今、何をしたらいいか。今ある対立を乗り越えるためには何が必要か。

 

彼らを知ることだと思う。

イスラム国とその活動に参加する人のことを、知ることだと思う。

何を信じ、どんなことに不満を持っているのか。

何を目的に活動していて、どこに行きたいか。

なぜこのような組織が勃興したのか。

 

自らの宗教を盾に、異教徒を殺すことや、武力制圧することは許されるべきではない。しかし、その悲惨さを訴えるだけでは変わらない現状がある。だからこそ、知ろうとすることが大切だと思う。

 

第二次大戦で戦った祖父と今イスラム国で戦う兵士は、どこが同じで、どこが違うのかな。3度目のパルミラだし、自国の歴史もちゃんと学んでおきたい。

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